──約3年間の活動休止期間を経て、2016年12月に歌手・声優として活動を再開させた中島 愛。フェスやイベントにも積極的に参加するなど、完全復活を果たした。2018年2月にリリースされた約4年ぶりのフルアルバムのタイトル(『Curiosity』)が示す通り、現在の彼女は“好奇心”に溢れた活動を続けている。

「作品を制作するたびに、衣装や見せ方を含めて、“自分はいま、こういうモードである”ということを示していきたいなって。そのスタンスは変えずにやっていきたいですね。もう少し年齢を重ねたら、何も考えず、ナチュラルに表現するのも素晴らしいと思うんですが、今は良い意味で自分を飾って、それをどう見せるかを試しているところです。新しいクリエイターともどんどん出会いたいですね」

──アルバム『Curiosity』には、前山田健一、新藤晴一(ポルノグラフィティ)、ラスマス・フェイバー、バグベアなど幅広いジャンルのクリエイターが参加。音楽性のふり幅も大きく広がっている。その起点となったのは、フジファブリックが楽曲提供した「サタデー・ナイト・クエスチョン」だったという。

「フジファブリックさんとコラボレーションしたことで、間口が広がった感覚があって。アニメフェスなどで「サタデー・ナイト・クエスチョン」を歌うと、今までとは違う自分を見せられるんですよね。20代前半までの明るくて元気なイメージとはちょっと違う、いい意味で暗い部分も出せるというか…。年齢も意識していますね。私は自分の年齢を高らかに発信していきたいタイプなんですよ(笑)。その年齢じゃないとできないこともあるだろうし、“若く見える”でも“年上に見える”でもなく、今だったら“29歳だから歌える歌だよね“と感じてほしいというか。そう思えるのは、『マクロスF』の頃に、瑞々しいイメージの活動を思い切りできたからでしょうね。“こういうことをやりたかったのに、やらせてもらえなかった”という心の残りが一切なくて、だからこそスッキリした気持ちで前に進んでいけるのかなって。フライングドッグ(中島 愛の所属レーベル)って、いい会社なんですよ(笑)」

──活動再開後のもう一つの変化は、リスナーの層が広がったこと。彼女自身の興味と関心を活かした制作によって、女性ファンにも支持されるようになったのだ。

「『マクロスF』『ハピネスチャージプリキュア!』とか、私に興味を持ってくださるきっかけはいろいろあると思うんですが、活動を再開してからは、私よりも下の世代の女性がイベントに来てくれることが増えて。もともと私のライブには“女性専用エリア”をつくっていたんですが、もっと楽しんでもらえるようにいろんなことを考えていきたいですね。できれば“きれいなお姉さんだな”と思ってもらいたいので(笑)」

──今年6月には30代に。プライベートの彼女も、年齢とともに変化しているのだろうか?

「そこはあまり変わってない気がしますね、自分では。ただ、母親や友達と話していると『大人になったね』と言われることもあるので、少しは成長できてるのかも。あ、でも、普段のファッションはだいぶ変わりましたね。20代前半の頃は、プライベートでもヒザ上丈のワンピースを着てたし、ショートパンツも平気だったので(笑)。最近、ライブの衣装を決める時に『アンコールはTシャツとショートパンツで』と言われると『え、いいんですか?』ってモジモジしちゃうんですよ」

──そんな彼女の理想の女性像は、声優の先輩たち。「“カッコいいな”と思う先輩には、似たようなオーラがある」のだとか。

「さっぱりしていて、大らかで、後輩に優しくて。厳しいこともサクッと言ってくれるんですよね。たとえば『マクロスF』で共演させてもらった遠藤綾さんもそう。初めてお会いした頃の遠藤さんは、今の私と同じくらいの年齢なんですよ。そう考えると“ぜんぜん辿り着けてないな”って。“一生追いつけないだろうな”と思えるような先輩が周りにいてくれるのは、すごくありがたいです。年齢を重ねるにつれてどんどんカッコよくなる先輩を見ていると、私も頑張ろうと思えるので」

──1月28日にはカバーミニアルバム「ラブリー・タイム・トラベル」をリリース。3月2日にはイベント“『マクロスF』10周年!ゴ〜〜ジャスデリシャスデカルチャーフェス”に出演するなど、精力的な継続している中島愛。アーティストとしての自信も少しずつ生まれているようだ。

「自信がついたというより、“自信を持とう”と努力するようになった感じですね。そうじゃないと、活動を続けられないと思うので…。ただ、撮っていただいた写真やステージの映像を見ると、“自分に自信を持ってないとやれないな、これは”と思うんですけどね(笑)」

インタビュー第3回
「日常と音楽」は
1月23日(水)掲載予定です。

撮影●藤城貴則
取材・文●森朋之
ヘアメイク●及川美紀(NICOLASHKA)