──80年代〜90年代のアイドル・ポップ、J-POPのマニアック(?)なファンとして知られる中島 愛。幼少の頃から両親の影響で様々な音楽に親しんでいたという彼女が本格的に音楽にのめり込むようになったきっかけは、80年代の伝説的アイドル“岩井小百合”だったとか。

「小学生くらいのときからアイドルに興味があったんですが、当時のアイドルはあまり“フリフリ”の衣装を着てなかったんです。私はどちらかというと甘々のファッションが好きだったんですが(笑)、あるとき岩井小百合さんの『恋♥あなた♥し・だ・い!』(1983年)の映像を観て、50’s風のポニーテールとワンピースがすごくかわいい!と思って。そのときに“もしかしたら私が好きな音楽やファッションは80年代にあるのかもしれない”と思って、アナログレコードや8センチCDを集めるようになったんです」

──「そこまで新しいものを掘るわけではなくて、自分が好きなものを追求するタイプ」という彼女の好みの音楽は、現在も80〜90年代が中心。アイドルだけではなく、洋楽のAORなどもマメにチェックしている。

「父親がTOTO、エアプレイ、アース・ウィンド&ファイアー、チャカ・カーンなどをよく聴いていて、私も自然と興味を持つようになったんです。本屋さんで『AOR名盤』みたいな本を買って、1枚1枚チェックしたり。新しいアニソンもなるべく聴くようにして、気に入ったものがあれば速攻で購入してます。そうやって幅を広げていかないと、ずっと好きな曲ばっかり聴いてしまって、まったくプレイリストが更新されないので(笑)。でも、いちばん好きな時代は70年代後半から90年代前半くらいなんですよね、やっぱり。音楽だけじゃなくて、あの時代の雰囲気に憧れているというか…。最近は80’sテイストの曲、ちょっとレトロな感じの曲も増えているので、私としては“いいぞ”という感じですね(笑)」

──ディープな音楽ファンである彼女は、音楽を聴くときも“ながら聴き”ではなく、真剣に向き合うことが多いという。

「BGMとして流すのではなくて、集中して聴くほうが好きなんですよね。それもたぶん、父親の影響です。大きいスピーカーの前か、ヘッドフォンで音楽を聴いている姿をずっと見ていたので、“音楽はそうやって聴かなくちゃいけない”って刷り込まれてる(笑)。あえてボーッと聴くこともあるんですけどね。そのほうが好みのサウンドだったり、どんな歌詞に惹かれるのかがわかりやすいので。昨年(2018年)の誕生日にスタッフのみなさんからDJプレイもできるターンテーブルを頂いたので、レコードを聴くことも増えました。よく“DJやってみたら?”と言われるんですけど、まだちょっとムリそうですね…。曲順を考えてプレイリストを作るのは好きなので、まずはそっちからやっていこうかなって」

──外出中に聴こえてきた音楽、店のなかで流れている曲も、もちろんチェック。

「気になる曲は自然と耳に入ってくるんですよね。以前は歌詞を書き留めて、それをもとにして曲を探してましたけど、いまはスマートフォンですぐに検索できるじゃないですか。そうやって好きな曲に出会うことも多いですね、最近は。もっともっといろんなジャンルの音楽を聴いて、お気に入りの曲を増やしたいです」

──音楽だけではなく、音全般に興味があるという彼女。声優、歌手という職業柄、日ごろから人の声にも敏感に反応しているようだ。

「考えてみると、曲を好きになる理由も(ボーカルの)“声が好きだから”ということが多いんですよね。“この声にずっと浸っていたい”と思って、何度も繰り返して聴いたり。あと“発音フェチ”でもあるんですよ、私。たとえば“この人のマ行の発音は素晴らしい”とか(笑)。カバーアルバム『ラブリー・タイム・トラベル』に入っている『無言のファルセット』(CoCo)に参加してくれたNegiccoのNao☆さんは、イの段の発音がすごく素敵なんですよ。声優のみなさんとお話しているときは、“いい声パラダイス”ですね(笑)。“いい声!”“いい発音”ということばかりなので、すごく楽しいし、勉強になります」

──電車のガタンゴトンという音、風が網戸を通るときの音など、日常のなかにも“お気に入りの音”がたくさんあるという中島 愛。その耳の良さ、いい音、いい声を探り当てるセンスは、彼女の音楽のクオリティにも良い影響を与えているのだと思う。

インタビュー第4回
「カバーアルバムに関して」は
1月28日(月)掲載予定です。

撮影●藤城貴則
取材・文●森朋之
ヘアメイク●及川美紀(NICOLASHKA)