──オーイシマサヨシとTom-H@ckによるユニットOxTは、現在のアニソンシーンを一望する上で欠かすことができない存在だ。OxTとしての活動の他に、オーイシはソロ・アーティストとして、Tom-H@ckはMYTH & ROIDのプロデューサー兼メンバーとしても活躍。また、アニメ系アーティストや声優への楽曲提供も多く、アニソン・ランキングに彼らが制作に関わった曲がずらりと並ぶことも。そんな二人にとって、2018年はどんな一年だったのか?

オーイシ
当たりか外れかで言ったら、当たり年でしたね。ANiUTaさんの2018秋アニメ主題歌賞もいただいた「UNION」が好調で、僕らにとっては5年先、10年先に振り返っても忘れられない年になったんじゃないかと思います。

Tom-H@ck
言ってみれば、僕らの最盛期でした。OxTも個別の活動も活発で、一番おいしい時期だったのかなと。

オーイシ
そういう言い方をすると、2019年以降は落ち込む感じになっちゃうから、やめて(笑)。でも、忙しかったのは本当ですね。「今月やべー」とか言い合いながら、仕事してました。僕ら二人の特殊なところは、アーティスト活動に加えて、作家(クリエーター)活動も盛んにやっていることで、途切れることなく日々が続いていくので、あまり年単位でOxTのことを振り返ったりはしないんです。

Tom-H@ck
アーティストとしての志はもちろんお互いに持ってますけど、わざわざ言葉に出して確認し合うこともないしね。ただ、今こんな作品に関わって、こんな曲を作っているという話は、よくしますね。

──2018年11月にリリースされた「UNION」は、TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』のオープニングテーマ。大石昌良が作詞・作曲を、Tom-H@ckが編曲を担当した。OxTにとっては9枚目のシングルで、『SSSS.GRIDMAN』の人気とともに大いに注目された。

オーイシ
『SSSS.GRIDMAN』は90年代の特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』のリメイクという、珍しい成り立ちの作品でした。まるまるリメイクされたわけではなく、別の世界線でのお話というのが面白いところで、楽曲制作のためにシナリオを読ませていただいた時から大ファンになりました。

Tom-H@ck
シナリオを読んだオーイシさんから電話がかかってきましたからね。「これは絶対に売れる! 気合いを入れて主題歌を作ろう」って(笑)。

オーイシ
Tomくんに楽曲の方向性を相談しながら、僕が作詞・作曲したのが「UNION」です。おかげさまで、作品のファンのみなさんに受け入れていただけましたし、同業者には「また、こんないい作品に関われてすごいよね」ってうらやましがられました(笑)。

Tom-H@ck
〈僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ〉とか〈君を“退屈”から救いに来たんだ!〉とか、「UNION」の歌詞にはパワーワードが多いんですよね。そこもヒットに繋がったんだと思います。

オーイシ
SNSで言われたもんね。オーイシは世界に警鐘を鳴らしているのか、実は思想的に偏ったヤツなんじゃないかって(笑)。

Tom-H@ck
最近、ネットでの炎上を気にしてるよね(笑)。

オーイシ
自分が藁よりも発火しやすい気がして(笑)。でも、〈僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ〉の〈何者かに〉を〈会社に〉とか〈バイト先に〉とかに置き換えたりして、たくさんの人が歌詞で遊んでくれたのは嬉しかったですね。ああいうのを見ると作ってよかったなと思います。自分達の曲が、みんなの日常を彩っているということだから。

Tom-H@ck
俺たち、広告の仕事をしたら、いいコピーライターになれるかも(笑)。キャッチーさはOxTの基本というか、大事にしているところですね。

──アーティストとしてもクリエーターとしても、大活躍の二人。彼らにとってOxTというのは、どういう存在なのか?

Tom-H@ck
いい意味で肩の力を抜いて、二人でバランスを取りながら仕事できる場所です。この前、オーイシさんの事務所の社長に、「OxTはオーイシさんと仲良く、力を入れ過ぎずにやれているところがいいと思うんですよね」って言ったら、「お前らは、「OxTに力を入れなさ過ぎだ。もう少しちゃんとやれ」って言われたけど(笑)、つまりは、僕らにとって自由度がすごく高いユニットだということなんですよ。

オーイシ
確かにね(笑)。お互いにインデペンデントな感じで、楽しくやってます。それでいて、相手のことをしっかり見てサポートし合うこともできていて、そのバランスが2018年はすごくよかった気がしますね。お互いのことをほったらかしにすることなく、ちゃんとユニットになれていたなと。

Tom-H@ck
そんな中でオーイシさんは「UNION」のように、僕が思いもつかない曲を作ってくれて、ヒットに繋がりました。

オーイシ
Tomくんもカップリングの「夢のヒーロー OxT ver」では制作を一手に引き受けて、僕は歌うだけでいいという環境を作ってくれました。今、OxTはすごくいい状態だと思います。

インタビュー第2回
「『ダイヤのA』での出会いとOxTの5年」は
2月13日(水)掲載予定です。