──2016年10月に1stシングル「Open your eyes」でデビューした亜咲花。当時彼女は17歳になったばかり。中学時代にアニソンシンガーになるという夢をいだき、さまざまなチャレンジを繰り返してきた末の、晴れてのデビューだった。

「子供の頃、数年間アメリカに住んでいて英語が得意だったんです。そんな自分の長所を活かして通訳になりたいと思って、中高一貫の国際校に入学したんですけど、周りは私よりも英語ができる子ばかりで、もっと自分に合った夢や目標を探さなきゃと考えるようになっていきました。そんな時、音楽の授業でシューベルトの「野ばら」をドイツ語で歌ったことで、先生が「歌の才能があるから、伸ばしたほうがいい」と誉めてくださったんです。もちろん、すぐに歌手になりたいと思うことはなかったんですけど、それから1年後に、その先生が亡くなってしまって。自分に何か恩返しできることはないかなと思った時に、歌手になるしかないと決心したんです」

──ずっとアニメが好きだった亜咲花は、歌手を目指そうと思ったのと同じ頃、一つのアニメと出会う。シェリル・ノームとランカ・リーという二人の歌姫が活躍する『マクロスF』だ。

「『マクロスF』は後追いで好きになったんですけど、May'nさんという本職の歌手の方がキャラクターの歌を担当してることに衝撃を受けて、アニソンシンガーという存在を初めて知ったんです。私もアニソンシンガーになりたい!と思って、まずは両親を説得しなきゃと思いました」

──最初に夢を打ち明けた父親に後押しされて、亜咲花はボイストレーニングを始め、カラオケ大会からオーディションまで、さまざまな場所で自分を試していく。その中の一つが2015年3月におこなわれたNHKの「アニソンのど自慢G」第2回大会。東京で開催された本戦に登りつめた彼女は、初めて大舞台を経験した。高校生になる直前のことだ。

「審査員長の田中公平さんをはじめ、上松範康さん、畑亜貴さん、今お世話になっている志倉千代丸さんなど、錚々たる方々が審査員を務めていたんですけど、ゲストとしてMay'nさんもいらっしゃったんです。憧れの人の前で歌うということで、人生初の大緊張を経験しました。私の名前ってなんだっけ? 私はこれから何を歌うんだっけ? と頭が真っ白になりました(笑)」

──数々のチャレンジが功を奏して、高校2年生にしてデビューを飾る。デビュー曲の「Open your eyes」はTVアニメ『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』エンディングテーマ。志倉千代丸の作詞・作曲だ。そして、彼女の名前をアニメファンに広く知らしめたのが、2018年1月リリースの4thシングル「SHINY DAYS」。

「TVアニメ『ゆるキャン△』のオープニングテーマで、アニメのヒットとともに、多くの方に私のことを知っていただけました。ずっと大切に歌っていきたい曲で、『ゆるキャン△』とも、この先もずっとお付き合いさせていただけたらいいなと思っています」

──「Open your eyes」から「SHINY DAYS」までは、地元名古屋で高校に通いながら、東京で音楽活動を繰り広げてきた。

「1時間目の授業に出てから新幹線に乗って、東京でラジオに出演させていただいて、また学校に戻って6時間目の授業に出たこともありました。名古屋と東京を何度往復したか分からない大変な毎日でしたけど、その頃は苦に感じることなく楽しんでいて、がむしゃらに前を向いて走り続けていました」

──高校卒業と同時に上京。アーティスト活動一本に絞るようになって、彼女の世界はさらに広がることに。

「2018年は、今までの人生の中で一番濃い1年でした。「SHINY DAYS」から始まって、高校卒業のタイミングと19歳の誕生日のタイミングの2回、ソロライブを開催することができましたし、その間にライブ会場のキャパが倍になったんです。自分はこんなにたくさんの人に歌を届けることができるようになったんだと、実感しました。そして何よりも、アニサマ(Animero Summer Live 2018 "OK!")への出演がありました!」

──その前年の2017年には、アニサマ当日、さいたまスーパーアリーナの野外にあるけやきひろばでのイベントに出演していた亜咲花。

「アニサマには中学生の頃から5年間、ファンとしてずっと参戦していたんです。イヤホンズさんや流田Projectさんのように、けやきひろばからアニサマの本編に登りつめていったアーティストさんが何組もいらっしゃったのを、自分の目で見てきたので、けやきひろばのイベントに出演が決まったときは、アニサマに出演するという遠い夢が、一気に近づいたように思いました。当日のステージでは感動で泣きそうになったんですけど、『私は来年、本編に出ます。涙はその時までとっておきます!』って、めちゃめちゃエモいことを言っちゃったんです。そしたら、なんとそれがかなって、自分で立てたフラグを回収することができました(笑)」

──2018年のアニサマでは、「Open your eyes」と「SHINY DAYS」を歌唱。

「最初は緊張していたんですけど、ペンライトの光の波が安心感を連れてきてくれて。初めて出演したのにホームに戻ってきたような感覚がありました。ずっとファンとして通いつめていたからだと思います」

──その代わり、ステージから降りた直後に大号泣してしまったという。

「歌いきったという安堵感と、夢を諦めずにやってきてよかったという達成感と、支えてくれたたくさんの人への感謝で、ボロ泣きでした。その時の映像を見ると、私、なぜか「ごめんなさい」って謝りながら泣いてるんです(笑)。いろいろな気持ちがごっちゃになっていたからだと思うんですけど」

──クールなEDMの「Open your eyes」と、とびきり明るいガールズポップスの「SHINY DAYS」。両極端な2曲を自分のものにしているのが、亜咲花だ。

「大人っぽい曲から、10代の女の子の等身大の曲まで、曲ごとにいろいろなマスクを被ることができるアーティストになりたいと思っています。それができるのが、アニソンシンガーのすばらしいところなんですよね」

──では、亜咲花のボーカリストとしての最大の武器とは何か?

「やっぱり英語ですかね。私の歌は英語の比重が大きくて、海外の方にとっては、より親しみやすく感じていただけると思うんです。アニソンは世界中にファンがいるジャンルなので、私の歌をもっともっと世界に広めていきたいです」

インタビュー第2回
「いろいろな亜咲花を詰めこんだ『19BOX』」は
3月13日(水)掲載予定です。