──インタビュー第2回は、大橋彩香の軌跡について、彼女自身の言葉によって掘り下げていく。まずは、どんな子ども時代を送っていたのだろうか?

「子役として舞台やドラマに出ていたこともあって、昔から達観していたというか、どこか冷めていた子どもだった気がします。一人っ子で、両親は愛を与えてくれたんですけどわりと放任主義で、一人で遊ぶのが好きなタイプでした。もちろん友達とも遊んでいましたけど、トランプで一人七並べとか一人スピードとか、楽しんでやってましたね(笑)。なんでも自分だけでやろうとするタイプで、自転車も両親や友達の助けもないまま乗れるようになりました」

──第1回のインタビューで「常に活動していないと、不安になる」と言っていたが、スケジュールをきっちり決めるのが、子どもの頃から好きだったという。

「あらかじめ予定を立てて、時間を有効に使うのが好きなんです。今日はスケジュール通りに行動できたと思うと楽しくなったりして、変な性格だったなって思います。小学生の頃から手帳にびっしり書き込みをしてましたし、TV雑誌を買ってきて、ペンで見たいドラマをチェックするのも好きでした。この間、両親と食事に行ったんですけど、その場でもペンを手に旅行雑誌をチェックしていて、母が『あんた、昔からそういうことするの好きだったよね』って(笑)。アニメの台本にもたくさん線を引いたり、余白に書き込んだりしています」

──子役として活動していたのは小学生時代までで、中学生になるとアニメにハマっていったという。

「中学時代は芸能活動はしなくて、友達の影響もあってオタクになりました(笑)。最初は漫画で、『BLEACH』がきっかけで少年ジャンプ系の作品にハマり、その次にアニメに行ったんです。アニメで最初に好きになったのは『機動戦士ガンダムSEED』で、後追いだったのでDVDをレンタルして夢中で見ていました。そこから『コードギアス 反逆のルルーシュ』、『マクロスF』とSFアニメ、ロボットアニメに続けてハマって、ひとりでガンプラを作ったりしていました。アニソンだと、『マクロスF』ですね。「ライオン」とか、カラオケに行ったら絶対に歌っていましたし、武道館に『マクロス』のライブを見にも行きました。アニメ系のライブやイベントは他にもたくさん通っていました。それからニコ動も常にチェックしていました。」

──アニメ好きになったことで、当然のように、声優になりたいという気持ちが生まれてきた。

「私も、『BLEACH』に出たい! と思って(笑)。小学生の頃は女優になりたいとか、バンドをやりたいとか、学校の先生になりたいって思っていたんですけど、中学でオタクになってからは、声優志望になりました」

──夢の実現のため、具体的な行動を始めたのは、高校生になってからだった。

「色々なオーディションを受けていたんですけど、なかなかうまくいかなくてヤバいと思っていた時に友達が教えてくれたのが、『ホリプロタレントスカウトキャラバン 次世代声優アーティストオーディション』でした。これに落ちたら普通に生きていこうという思いで受けたら、ファイナリストになって、ホリプロに所属が決まりました。でも、最終オーディションのときは、グランプリが取れなかったので、もうダメだと思って、一刻も早くこの場から去りたいって気持ちだったんです。本当に悲しくて、自分はもう終わったと思って。だから後になって事務所が声をかけてくれたときは、本当に嬉しくて、よろしくお願いします! と即決でした」

──ご両親の反応は、どうだったのだろう?

「最初は大反対されました。スカウトキャラバンも、自分で機材をそろえてカラオケボックスで歌を録音して応募したんです。でも、ファイナルに進んだら両親が見に来てくれて、グランプリが取れなくても『よくがんばったね』って言ってくれましたし、ホリプロから声がかかったときも喜んで賛成してくれました」

──たった一人で奮闘して結果を出したことで、両親が味方になった。

「今では、私のライブやイベントを必ず見に来てくれますし、母はもともと漫画が好きだったこともあって、一緒にアニメを見ていると「この声、○○さんでしょ」と言い当てたりして、かなりこっち寄りになりました(笑)。母の声優に対するイメージは、反対していた頃から大きく変わったと思います」

──そんなお母様からは、音楽的な影響も受けたという。

「母は海外のハードロックが好きで、若い頃はライブハウスの最前列に突っ込んでいくほどアクティブだったそうです。私も母のお腹にいる頃からハードな音楽をたくさん聴かされていたせいで、重低音が大好きな子どもに育ちました。私の音楽遍歴は、小学生時代の洋楽、中高校生時代のアニソンと極端なんです」

──洋楽を好んで聴いていた感覚は、今もしっかり残っている。

「アニソンでも、澤野弘之さんの作られる曲のように洋楽っぽいものが好きなんです。もちろんそれだけじゃなくて、水樹奈々さんはずっと憧れの存在ですし、電波系のアニソンも大好きで、アニソンが好きにならなかったら、触れることがなかったジャンルの音楽をたくさん知ることができました」

──アニソン系のフェイバリット・アーティストは、今、名があがった水樹奈々だ。

「中学生の頃から大好きで、カラオケに行ったら必ず歌っていたんですけど、自分が声優になって改めて、水樹奈々さんの偉大さを実感しました。声優をやりながら、あれだけの規模とスケジュールのライブツアーをこなして、あんなに難しい歌を大規模な仕掛けの中で、長時間歌い続けて、本当にすごいなって。これからも永遠に憧れ続けると思います。まだ一度もお仕事でご一緒したことがないんですけど、ずっとファンです」

──好きな音楽の話になると、俄然、言葉に熱がこもるように。では、彼女自身はデビューから今まで、どのように歩んできたのか。次回は、プロになった大橋彩香について、話を聞いていく。

インタビュー第3回
「一つ一つハードルを越えていくのが楽しいんです」は
7月17日(水)掲載予定です。

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