──大橋彩香のアーティストとしての歩みをたどるインタビューの最終回は、これからの彼女について。2019年8月6日に9thシングル「ダイスキ。」がリリースされる。この曲は、7月からスタートするTVアニメ『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』のオープニング主題歌だ。

「1stシングル『YES!!』でアーティストデビューした記念日に、ニューシングルのリリースが決定しました。この日は火曜日でCDの発売日としてはイレギュラーなんです。いろいろな方々のお力で、運命的なリリースになりました。嬉しいのと同時に、不思議な気持ちがします」

──「ダイスキ。」はタイトル通りのストレートなラブソングだ。

「元気で爽やかで夏らしい曲調で、歌詞には愛が溢れています。私はここ数年、EDMが大好きで、アーティスト活動にも多大なる影響をもたらしているんですけど、『ダイスキ。』でもEDMがやりたいとリクエストさせていただいて、特に間奏はバキバキに踊れるサウンドになりました」

──MVでは、6thシングル「「ユー&アイ」以来となるダンスを披露した。

「しかも、『ユー&アイ』のときよりダンサーさんが増えて、より踊っているシーンが多いMVになりました。撮影は大変でしたけど、かっこいい仕上がりになっています」

──ダンスには、もともと苦手意識があったという。

「やりたいこととできることって違うじゃないですか。気持ちがあっても技術が伴わなければ、形にすることって難しいですよね。実は、昔ジャズダンスを習っていて、うまく踊れずに辞めてしまったことがあって、ずっとダンスには抵抗感があったんです。声優になってからも、歌にはダンスが付きものなのかとプレッシャーに思っていたんですが、三浦大知さんのパフォーマンスを見るようになってダンス熱がふつふつと湧いてきました。いきなりレベルの高いところを目指してしまいました(笑)」

──スタイリッシュなダンスに挑戦した曲としては、2ndアルバム『PROGRESS』収録の「Break a Liar」がある。

「ダンスをがんばってみようと思って、正式なレッスンを受けてライブで披露させていただいたのが、『Break a Liar』のダンスでした。けっこうオラついた振り付けだったので、ファンのみんなに『こんなはっしー、イヤだ!』って思われたらどうしようってドキドキだったんですけど、予想以上に喜んでいただけて。かっこよくダンスする姿を、みんなの前で出していっていいんだと分かった曲です。それ以降ダンス曲が増えていって、『ダイスキ。』につながりました」

──「ダイスキ。」のダンスは、「Break a Liar」とは対称的に、女性らしい振り付けが特徴だという。

「『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』は、ヒロインのみんなが主人公のことが大好きで、ちょっと歪んでいるけれど愛に溢れた作品なんです。その世界観に合わせてMVのダンスも、ハートがいっぱいの、めちゃめちゃかわいい感じになっています。でも、間奏だけはバキバキのかっこいい振り付けで、かわいさとかっこよさが混在したMVになりました」

──カップリングの「Confrict」は、しっとりとした曲になった。

「明るく元気な「ダイスキ。」の逆をついて、カップリング曲は、真っ黒な中、マイクスタンドにだけピンスポットがあたっているようなイメージの曲にしたいです、とリクエストさせていただきました。歌詞は私の内面に迫るというのがテーマで、あまり社交的じゃないというか、人と距離を詰めることが苦手な私だけど、もっと人を好きになれるようになりたいなという思いを、壮大かつ神聖な歌詞にしていただきました。BPMが低くて、ゆっくりしていて、ピアノとリズムだけのシンプルかつ大人っぽい曲です」

──いつも明るくて、楽しそうに笑っている彼女から、自分は社交的じゃないという言葉が出てきたのは、ちょっと意外だった。

「今までお話ししてきたように、一人になると不安になったり、誰かと一緒にいてもうまく話せなかったりする私ですけど、そういう姿は表には出したくないんです。アーティスト活動をする上でのモットーは『笑顔』なので、自分の暗い気持ちは裏側に隠しておいて、楽しい“はっしー”でいたいと思っています」

──もちろん、表現活動をしていく上で明るく元気なばかりではいられないことは、ファンも承知していると思う。今回のインタビューでも、ネガティブな感情を素直に吐露し、自分をつくろわない姿が印象に残った。

「今、24歳なんですけど年下感があるみたいで、周りの声優さんからはよく『孫』って言われるんです。お菓子をあげたくなるって(笑)。でも、この先ずっと『孫』のままではいられないじゃないですか。ファンのみんなに対しても、アーティストとしてステージの上にいるときだけでも、大人な感じを汲み取っていただけるようになりたいなと思っています。カップリングやアルバムでは表題曲とは違うアプローチで制作できるので、大人っぽさを意識した曲もそこで積極的に出していきたいですね」

──アーティストとしての今後の目標は、「大人を感じさせる」ということになるのだろうか?

「それはありますね。でも、大人になろうとがんばったり無理したりはしたくないと思っています。元気で明るく笑顔でということを、これからも一貫したテーマにしながら、年齢を重ねていく上で、そのときにしかありえない大橋彩香の自然な姿を感じていただけたら嬉しいです」

  インタビュー・構成=鈴木隆詩

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