──TVアニメ『マクロスΔ』の歌姫オーディションで8000人の中から選ばれ、声優デビューを果たした鈴木みのり。彼女が演じるフレイア・ヴィオンは、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のメンバーであり、現実の世界でも横浜アリーナを筆頭に大きなステージに何度も立ってきた。そして、2018年1月には、シングル「FEELING AROUND」でソロアーティストとしてもデビュー。同年12月には、1stアルバム『見る前に飛べ!』をリリースし、順調に活動を展開している。2019年の夏、今の自分を、鈴木みのりはどのように感じているのだろう?

「フレイアとしてデビューして以来、笑顔をモットーに、自分自身がまずは楽しもうと思って、声優・歌手の活動をしてきました。2018年には、ソロとして2枚のシングルと1枚のアルバムをリリースすることができて、特にアルバムでは、なんでも挑戦してみようという思いを悔いのない形で表現できたと思います。それを越えての2019年ということで、これからは、もうちょっと自分にわがままになっていけたらいいな、と思っています」

──1stアルバム『見る前に飛べ!』は、インパクトの強い作品となった。タイトル曲の「見る前に飛べ!」は、シリアスなサウンドに乗せて心の叫びを歌った曲。葛藤を乗り越えて、前に進んでいく歌詞は、自ら作詞したものだ。そして、もう一つのリード曲「ヘンなことがしたい!」は、とびきりコミカルな曲。MVでは丸坊主のカツラを被り、話題になった。

「鈴木みのりなら、面白いことをやってくれるだろうって、多くの人に思っていただけるMVになったと思います。アルバムでは他にもいろいろなタイプの曲を歌わせていただいて、アーティストとしての自分なりの武器が見えてきたように感じました。声優の世界には、才能もルックスも優れたものを持っている方がたくさんいらっしゃると思うのですが、そんな中で私はやっぱり、自分の感情を大切にした歌をしっかり歌っていきたい、歌で魅せていきたいんだと確信しました」

──だからこそ、「わがままになりたい」のだと言う。

「ソロで曲作りを重ねることで、曲に対する自分なりのこだわりが出てきて、ここはこうしたら面白いんじゃないかとか、こう歌ったらよりいいものになりそう、というアイディアをスタッフさんに向けて発信できるようになってきました。だから、自分のクリエイティブな感性を、もっともっと大事にしていきたいという意味での、「わがままになりたい」なんです」

──成長を実感している彼女。それには、『アイドルマスター シンデレラガールズ』で藤原肇を演じたことも大きかったと語る。

「1stアルバムの制作と同じ頃に、『アイドルマスター シンデレラガールズ』のライブがあったりしたことで、同世代の女の子の声優さんと関わりを持つ機会がすごく増えたんです。地元が愛知で、上京してきた友達があまりいなかったので、プライベートはぼっちに近い感じだったんですけど、『シンデレラガールズ』の声優さん達と出会って、一緒にご飯に行ったり、同じ目線で仕事について語り合うことができるようになって、すごく刺激を受けました。自分の中にはなかった考え方に触れることができて、世界はとても広いんだなって思えるようになったんです」

──たとえば、どんなやり取りがあったのだろう?

「鷹富士茄子役の森下来奈ちゃんは、もともとナレーションの仕事をしてきた方で、ナレーション現場の話を聞いて、アニメとの違いについて勉強させてもらったり、面白いスポットや美味しいお店を教えてもらったりしています。話しているとすごく楽しくて、来奈ちゃんと幸せを共有している気持ちになります。堀裕子役の鈴木絵理ちゃんは先輩ですが、価値観が似ているんです。一緒にディズニーシーに行ったことがあったんですけど、アトラクションをちょっと楽しんだら、後はずっとベンチで話し込んでしまいました(笑)。仕事に対しての思いとか、キャラクターソングへの向かい方を話し合って、結局、二人とも本当にお芝居が好きなんだなということを確かめ合いました」

──仕事を始めてから、世界が一気に広がった。

「それまでの私は、近くにいる人とは仲良くしないとダメなのかなとか、勉強もちゃんとできてないとダメなのかなとか、周りの常識を気にしていたんですけど、そこに正解はないんだなって気づきました。自分にはちょっと変わったところがあるのかなと思っていたら、この世界にはもっとユニークな人がたくさんいたんです。結局、自分で心地いい空間を作ることが一番大事なんですよね。お仕事には大変なことも多いですけど、自分の世界を広げてもらえる声優・歌手になることができて、本当によかったと思っています」

──声優という仕事を初めて意識したのは、いつだったのだろう?

「小さな頃は引っ込み思案で、人前に出ることは嫌いだったんです。学芸会でも、なるべく地味な役になりたいなって思っていました。それが変わったのは小学3年生のときで、先生が私の歌や国語の時間の朗読をすごく誉めてくれて、声を出すことが大好きになったんです。将来は声を活かした仕事に就きたいなと思ったんですけど、最初は何になりたいのかよく分からなくて、声優になりたいと思ったのは小学校高学年の頃でした」

──アニメには、幼い頃から親しんできた。

「父がアニメ好きで、家にいるときはいつもCS放送のアニメが流れているような家でした。小さい頃は好きなアニメを一緒に楽しんでいる感じだったんですけど、アニメ雑誌を買うようになったら、声優さんがたくさん載っていて、こういう人達が声をあてているんだと気づいたんです。同じ頃に、水樹奈々さんが、初めて紅白歌合戦に出演して注目を浴びて、声優というお仕事を強く意識するようになりました」

──さらなる刺激になったのは、『マクロスF』や『けいおん!』といった音楽が劇中で重要な役目を果たした作品だった。

「役を演じた声優さんが現実のステージに立って歌う姿を見て、声優になれば私のやりたいことが全部できるんだと思いました。中学生になると声優雑誌を読んで、声優養成所の情報を集め始めて。高校生になったらアルバイトで学費を貯めて養成所に通わせてほしいと、両親を3年間かけて説得したんです」

──思い立ったら、行動せずにはいられない性格だという鈴木みのり。第2回は、声優を目指して本格的に動き出した高校時代から、デビュー当時についてを語ってもらおう。

インタビュー・構成=鈴木隆詩

インタビュー第2回
「セリフ入りのキャラソンで練習してました」は
8月14日(水)掲載予定です。

★ 鈴木みのりさんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回「自分の感性を、もっと大事にしていきたい」
● 第2回「セリフ入りのキャラソンで練習してました」
● 第3回「どちらか一つではなく、声優であり歌手でありたいんです」
● 第4回「新しい私を感じてもらえるシングルになりました」

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