──インタビュー第2回は、前回に続き、声優デビューまでの道のりから。小学生の頃に、声に関わる道に進みたいと思って、「声優」を意識した鈴木みのり。その頃、初めて自分からリクエストして買ってもらった誕生日プレゼントが、CDプレイヤーだったという。

「それと『学園アリス』のサウンドトラックを一緒に買ってもらいました。原作漫画が好きでアニメも観ていて、最終回は涙なくしては見られなかった作品で、当時は気づかなかったんですけど、豪華なキャストさんが出演されていました。学校行事の歌や演奏を発表する会で、友達と一緒にボンボンを作って、『学園アリス』の曲を踊ったりしていました」

──最初に買ってもらったCDがサウンドトラックというのがマニアックだ。もちろん、アニソンやキャラソンを聴くのは、声優への道を意識してのことだった。

「アニメの主題歌からキャラソン、声優さんのオリジナルの曲まで、たくさん聴いていました。ニコニコ動画でチェックするのが大好きだったんです。アニソンメドレーを聴いて、この曲いいな、なんて曲なんだろうと思うと、すぐに検索して。そんな中でたどり着いたひとつが『ひぐらしのなく頃に』の「you」で、そこから『ひぐらし』の沼にはまっていきました(笑)。声優になるための練習ということで、セリフ入りのキャラソンをよく歌っていたんですけど、『ひぐらし』にはセリフ入りの曲が多いんですね。特にお気に入りだったのは、かないみかさんが演じていた北条沙都子ちゃんの「好き好き∞にーにー」という曲で、沙都子ちゃんの声真似をして歌っていました」

──高校に入学すると、アルバイトで資金を貯め、両親の許可を得て、東京の声優養成所に地元から通った。

「高校2年から1年間、通いました。演技の基礎を学ぶコースだったので、体を動かすお芝居の勉強がほとんどで、声優としての具体的なレッスンではなかったんですが、講師に声優さんがいて、収録現場の話を伺うことができました」

──他の先生には、役者としての心構えを教わった。

「自分だけの武器を持て、緊張を楽しめ、という言葉をくださった先生がいて、その先生とその言葉に出会ってなかったら、『マクロスΔ』のオーディションは受かってなかっただろうなって思うんです。笑顔という自分の武器を、養成所に通った1年の間に見つけ出すことができましたし、緊張を楽しもうと思って物怖じせずに歌えたのが、フレイアにつながったと思います。オーディションの最後に、フライングドッグの佐々木社長から、「何か言っておきたいことはありますか?」と聞かれたんです。先生に教わったことを絶対に言おうと決めていたので、「私の笑顔を覚えてください」という言葉が、すぐに出てきました」

──フレイア役を射止めた『マクロスΔ』の歌姫オーディション。それに応募したのは、高校2年生の冬だった。

「『マクロスF』のファンでしたし、声優と歌手の両方ができるオーディションだったので、気合いが入りました。養成所で習ったように宣材写真をしっかり撮って、初めて臨んだオーディションでした」

──書類審査に合格したというメールは、学校で受け取った。

「ちょうど球技大会の日だったんです。私が参加した種目は早くに終わったので、教室でお弁当を食べたり自由に過ごしていいよと先生に言われて。審査の結果が気になって、こそこそと携帯をチェックしたんですね。すると合格のメールが届いていて、思わず教室で「やったーっ!」と叫んでしまいました(笑)。周りいた仲のいい友達に、詳しいことは言えないけど、オーディションに書類を送ったら受かったよと報告したら、すごく喜んでもらえました」

──書類審査に通ると、次は早くも最終審査だったという。

「3月くらいに、「恋! ハレイションTHE WAR」の原型となる曲が送られてきて、もう1曲は好きな曲を歌ってくださいと。何を歌おうかなって、母と一緒に考えました」

──最終審査がおこなわれたのは、2015年4月26日。その前日、さいたまスーパーアリーナでは、「坂本真綾 20周年LIVE “FOLLOW ME”」が開催されていた。

「チケットを取って、母と見に行くことにしていたんです。次の日がオーディションだから、このまま東京に一泊しようかなと思ったんですけど、名古屋から東京までの新幹線のチケットを送っていただいていて。これを無駄にしたら、心証を悪くするかもしれないと思って(笑)、スーパーアリーナから一旦名古屋に帰って、次の日また新幹線に乗って、東京に行きました」

──最終審査には、坂本真綾ライブで買ったキーホルダーをお守りにして臨んだ。

「坂本真綾さんが好きなんです。という話をしたとき、「じゃあ、昨日のライブも行ったの?」と聞かれて、「もちろんです!」とキーホルダーをお見せしました。「ここまで来る新幹線でも、ライブパンフを熟読してました」って、思わず熱が入ってしまいました(笑)」

──和やかに進んだオーディション。そのとき、「ニックネームはある?」と聞かれて答えたのが、小学生の頃のあだ名「みのりんご」だった。

「最寄り駅の原宿に着いたとき、母が「近くに『みのりんご』っていう有名なカレー屋さんがあるらしいよ」と教えてくれて。私の昔のあだ名だ、懐かしいなって話し合っていたんです。オーディションでニックネームについて聞かれて、高校では「みのさん」と呼ばれていたけど、かわいくないし、有名な方がいらっしゃるし(笑)。「あ、カレー屋さん!」って思いついて、「小学生の頃、みのりんごって言われてました」と答えました」

──フレイアにりんごが好きという設定があったのも、偶然の一致だった。

「審査用の台本を読んだとき、フレイアはりんごが好きと書かれていて、いろいろなことが合致して、「来た、コレ!」と(笑)。運命を感じました。楽しいことばかりのオーディションだったので、これで落ちても悔いはないと思っていたら、合格の知らせが来て、すごく嬉しかったです」

──『マクロスΔ』のヒロイン、フレイア・ヴィオンという大役を初めてのオーディションで射止めた彼女。そこから、プロとしての活動が始まっていく。その話は第3回で紹介するとして、最後に坂本真綾への愛を語ってもらった。

「歌声も曲も素晴らしいですが、真綾さんが紡ぐ言葉が一番好きです。歌詞で書かれること、ラジオでお話しされること、雑誌のエッセイと、たくさんの言葉で真綾さんの気持ちを知ることができて、辛い思いをしている自分にすごく刺さったり、がんばろうと思えるきっかけになったりしました。中学生のときには、人間関係がうまくいかなくて悩んだことがあって、そのときも真綾さんの歌詞にすごく救われたんです。逆に、ここが勝負どころというときは力を与えてもらったり。真綾さんの歌に出会った中学時代から今までずっと一緒にいて、私にはなくてはならない存在です」

──ANiUTaには、そんな鈴木みのりが選んだ、坂本真綾オンリーのプレイリストが。愛ある選曲を、ぜひ聴いてみてください。

インタビュー・構成=鈴木隆詩

インタビュー第3回
「どちらか一つではなく、声優であり歌手でありたいんです」は
8月21日(水)掲載予定です。

★ 鈴木みのりさんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回「自分の感性を、もっと大事にしていきたい」
● 第2回「セリフ入りのキャラソンで練習してました」
● 第3回「どちらか一つではなく、声優であり歌手でありたいんです」
● 第4回「新しい私を感じてもらえるシングルになりました」

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