──大好きな坂本真綾のライブグッズをお守りに、『マクロスΔ』のオーディションに臨んだ鈴木みのり。見事にグランプリを獲得した彼女の、プロとしての活動が始まっていく。それは、美雲・ギンヌメールの歌を担当するJUNNAとの出会いから始まった。

「最初に「ルンがピカッと光ったら」と「いけないボーダーライン」の仮歌をいただいたんですけど、「いけないボーダーライン」は美雲がメインの曲なので、JUNNAちゃんのボーカルが既に入っていたんです。声を聴いてかっこいいなと思って、私よりも年上なんだろうなと想像してました。でも実際は3つも年下でした(笑)」

──JUNNAの第一印象は「おしゃれな子」だったという。

「同じ愛知県出身なんですが、JUNNAちゃんの方が都会っ子なんです。フレイアから見た美雲みたいな感じで、わー、素敵って思って。でも、初対面は『マクロスΔ』のメインスタッフの方々の前でワルキューレの曲を歌ってみせるという現場だったので、ブースに入った時点で二人ともド緊張で、お互いに声もかけられずソワソワしていました」

──ワルキューレの他のメンバーとの初対面は、第1話の収録現場だった。

「第1話のアフレコは、ハヤテ役の内田雄馬さん、ミラージュ役の瀬戸麻沙美さんと私の3人だけ別録りだったので、他の方の収録日に見学に行ったんです。スタジオに入る前に西田望見ちゃんにあって、「はじめまして」と挨拶したのが、JUNNAちゃんの次に出会ったワルキューレメンバーでした。それからスタジオで安野希世乃さん、東山奈央さんともお会いして挨拶しました」

──アフレコも、もちろん『マクロスΔ』が初挑戦だった。

「養成所に通っていた頃、声優にとって音響監督さんがどれだけ大きな存在なのか聞かされていました。『マクロスΔ』は三間雅文さんが担当されるということを事前に教えていただいて、三間さんのインタビュー記事や三間さんと関わった声優さんの発言を読んで、気を引き締めて収録に臨みました。三間さんはキャラクターの心情を深く掘り下げて、「今、あなたはどう思って演じている?」と私を鍛えてくださって、それが後々のお芝居や歌のレコーディングにすごく活かされているんです。最初の音響監督が三間さんでよかったねと多くの方に言われましたし、私自身もそう思っています」

──フレイアを演じるときもフレイアとして歌うときも、大切だったのは「明るさ」だという。

「アフレコ現場でもレコーディングでも、フレイアはどんなにつらいことがあっても前向きな子なので常に明るく笑顔で、と言われました。戦闘の曲や切ない曲でもフレイアらしさを忘れずに歌わなくちゃと思って、歌詞カードに笑顔マークを書いたりしていました」

──現実のステージで、ワルキューレが初めて5人揃ったのは、2016年夏。東名阪で開催された「1st LIVE in Zepp Walküre Attack!」だ。

「それまでのイベントではJUNNAちゃんと二人で歌っていたので、5人で声を合わせて歌うということだけで、不安でいっぱいでした。それにその頃の私は、踊りたくないという気持ちが強かったんです。今は大好きですけど、最初は苦手意識があったんです。でも、メンバーの先輩方の姿を見て、自分もこれ以上やれないってところまで努力しなきゃなって。思いっきり努力した分、思いっきり楽しむんだと、ツアーの中で思えるようになっていきました」

──その後、ワルキューレは2017年1月、2018年2月と2年連続で横浜アリーナの大舞台を経験することになる。その間に鈴木みのりに訪れたのは、ソロアーティストとしてのデビューだった。

「ありがたいお話でしたが、正直、不安もありました。声優でもあり歌手でもあるというのが私の最初からの目標でしたが、声優としてまだまだ新人で、いろいろな役をやっているわけでもない段階で、歌手をやっていいんだろうかと。瀬戸さんとか石川界人さんとか、『マクロスΔ』に出ている先輩方にも相談に乗っていただいて、悩みに悩みました。でも、『マクロス』シリーズでデビューして、フライングドッグさんからソロデビューさせていただくなんて幸運は、手放してはいけないんじゃないかと思って。私自身、声優も歌も大好きなんだから、不安がっていないで両方がんばってみようと決意しました」

──ソロとしてのデビュー曲は、TVアニメ『ラーメン大好き小泉さん』のオープニングテーマ「FEELING AROUND」。サウンドプロデュースをagehaspringsの田中ユウスケが、作詞作曲をロックバンド、フレデリックの三原康司が手掛けた。

「制作陣は素敵な方々ばかりで、こんなにいい曲でデビューが飾れるんだと感激しました。明るく楽しい曲で、部分部分に遊びがたくさん入ったボーカルになりました」

──2枚目のシングルは、TVアニメ『あまんちゅ!〜あどばんす〜』オープニングテーマ「Crosswalk」と、TVアニメ『カードキャプターさくら クリアカード編』のエンディングテーマ「リワインド」のダブルA面となった。特に「Crosswalk」は、憧れの人・坂本真綾の作詞だ。

「真綾さんはワルキューレにも歌詞を提供して下さっていたのですが、私のソロ活動の曲も書いて下さるということで嬉しすぎて。「Crosswalk」は北川勝利さんが作ってくださった優しくて切ないメロディでまずは涙がこぼれて、真綾さんの歌詞が上がってきたときは大号泣でした」

──順調にシングルのリリースを重ねてきた鈴木みのり。2018年12月には待望の1stアルバム『見る前に飛べ!』がリリースされた。北川勝利作曲によるアルバムタイトル曲「見る前に飛べ!」は、彼女自身が作詞を担当。自分の思いを赤裸々につづった。

「北川さんのシリアスなメロディから、心の叫びを感じました。私自身、ずっと悩みをかかえていて、怖がってばかりいちゃダメだ、前向きにならなきゃと考えていた時期だったので、自分の本当の気持ちを叩きつけるつもりで歌詞を書いていきました」

──もう一つのリード曲「ヘンなことがしたい!」も、彼女の作詞。こちらは一転してコミカルな曲に。

「楽しい曲なんですけど、実は「見る前に飛べ!」とテーマは一緒なんです。悩むことはあるけど、とにかく私は笑顔でいたいという曲で、小坊主に扮したMV撮影も楽しくやらせていただきました」

──チャレンジ精神が旺盛で、いつも笑顔。しかしそれだけでなく、心にかかえる葛藤もアーティストとしてしっかり作品に落とし込んでいるのが、ソロとしての鈴木みのり。それは最新作「ダメハダメ」にも共通している。次回は、いよいよ8月7日にリリースされたばかりのニューシングルについて、お聞きします!

インタビュー・構成=鈴木隆詩

インタビュー第4回
「新しい私を感じてもらえるシングルになりました」は
8月28日(水)掲載予定です。

★ 鈴木みのりさんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回「自分の感性を、もっと大事にしていきたい」
● 第2回「セリフ入りのキャラソンで練習してました」
● 第3回「どちらか一つではなく、声優であり歌手でありたいんです」
● 第4回「新しい私を感じてもらえるシングルになりました」

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