──ニューシングル「ダメハダメ」を8月7日にリリースした鈴木みのり。TVアニメ『手品先輩』のエンディングテーマとして作られたこの曲は、ソロデビュー曲「FEELING AROUND」からの流れを感じさせる、明るく楽しい曲だ。

「『手品先輩』はにぎやかでちょっとエッチなギャグアニメなので、楽曲も面白くて若干のセクシーさを感じさせるものを選ばせていただきました。歌詞はワルキューレの「Dancing in the Moonlight」を手掛けたanane_madderさんで、『手品先輩』の世界観に沿いながら、私らしさも散りばめて書いていただけたと思います」

──作曲は浅利進吾、編曲は北川勝利が担当した。

「今まで北川さんが手掛けてくださった私のソロ曲は、「Crosswalk」のようなしっとりした曲や、「見る前に飛べ!」のようなシリアスな曲で、今回のような楽しい曲のアレンジは初めてだったんです。どんな感じになるのかなと思っていたら、ベートーベンの「運命」が使われていたり、最後に銅鑼がバーンと鳴ったりと、予想以上にぶっ飛んだアレンジになっていました。みのりんごなら、これくらい遊んでもOKだと思ってくださったんだと思います(笑)」

──表情がころころ変わる曲なので、レコーディングには体力が必要だったという。

「アニメタイアップ曲は、お芝居をするようなイメージで歌うことが多いのですが、「ダメハダメ」はいつも以上にその成分が盛り盛りで、肉体的にも疲れました(笑)。たとえば、〈ちらっちらっちらっちらっ〉というところは、最後だけ〈ちら〜ん〉とセクシーな感じで歌ってほしいと言われて。レコーディングには、acaneさんと北川さんがいらっしゃって、ディレクターさんと3人で、細部にこだわったディレクションをしてくださいました。acaneさんはご自身もシンガーなので、「こうしたほうがみのりんごのかわいさが出るよ」と実際に歌いながら指示してくださって、笑い声が絶えないレコーディングでした」

──タイアップ曲は芝居をするように歌う、という話が出てきたが、それは作品の主人公になりきって歌うのとは、ちょっと感覚が違うらしい。

「作品のキャラクターは、それを演じる声優さんがいらっしゃるので、私自身がキャラになりきるわけではないんです。それよりも、そのキャラがしゃべったり動いている姿を頭の中で妄想して、ファン目線で歌うという感覚に近いですね。歌詞のこの部分をキャラクターがもしセリフとして言うのなら、こんな言い方になるのかなと私なりに想像したことが、ボーカルのニュアンスとして出てきます」

──「ダメハダメ」は最後、〈いいよ〉というかわいいセリフで終わる。これはディレクターのアイデアによって加えられた部分だという。

「最後のセリフは、かなりギリギリのタイミングで入れることが決まりました。ディレクションとしては、その前の〈ダメ?ダメ!ダメ?ダメ!〉は相手を直接見つめて言っているんですけど、その後、相手から目線を外して、モジモジしながら〈いいよ〉って言ってほしいと。ディレクターさん達が楽しそうに盛り上がっているのを見ながら、私もノリノリで言ってみました(笑)」

──カップリングの2曲は、1stアルバム『見る前に飛べ!』を経過した、今の鈴木みのりが色濃く入ったものになった。

「2曲目の「こいもよう」は、私が作詞を担当しました。今までシングルで2曲、アルバムで3曲作詞をさせていただいたんですけど、全て自分自身の思いや経験からイメージを膨らませて書いてきたんです。でも次の段階として、ハッピーな恋という普遍的なテーマで書いてみてほしいというのが、ディレクターさんからのお題でした。でも、なかなかうまく書けなくて、2回くらいダメ出しがあって。途中でディレクターさんに、「そんなこと言われたって、私は恋をしていないから分かんないんです!」と逆ギレしてしまったんです(笑)」

──打ち合わせをしているときに、思わず、恋をしていない自分について熱弁してしまったのだという。

「自分じゃないところに題材を取っていいんだよと言われて、じゃあ、好きな少女漫画を参考にして書こうかなと。それでやっと、聴いてくださる方に届く、普遍的でかわいらしい恋の歌詞を書くことができました」

──3曲目「One More Step」では、ダンスミュージックテイストの曲に初挑戦した。

「今までにないジャンルに挑戦しました。アルバムではいろいろなタイプの曲を歌わせていただいたんですが、それを越えて、自分自身は好きだけど歌ったことがない曲にどんどん挑戦していきたいという気持ちが膨らんできて。でも、ファンのみなさんがどこまで受け止めてくれるかは未知数じゃないですか。「One More Step」は、こんな曲を歌ってみたけど、どうですか? とみなさんの反応を知りたい曲でもあるんです」

──第1回のインタビューで紹介した通り、「自分に素直になっていきたい」という思いが、ニューシングルのカップリング曲を生んだとも言える。

「タイトル曲の「ダメハダメ」でいつも通りの鈴木みのりを楽しんでいただきつつ、カップリングの2曲では新しい私を感じてほしいなという思いがあります」

──ソロアーティストとして、貪欲に先に進んでいこうとしている鈴木みのり。一方、ワルキューレとしての活動も、まだまだ続いていく。6月に開催された「MACROSS CROSSOVER LIVE 2019」で、『マクロスΔ』の劇場版新作の制作決定を、ワルキューレが自ら発表したのだ。

「『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』というタイトルで、!が6個付いている意味はなんだろう? まさかワルキューレのメンバーが増えるってことじゃないよねって思いつつ、再びフレイアを演じられるのが本当に嬉しいです。ちょっと前にのぞみる(西田望見)と安野(希世乃)さんと一緒に、河森(正治)監督とお茶を飲む機会があったんです。その時に河森さんがメモを取り出して、「どんな曲が歌いたい? 今言ってくれたら反映できるかもよ」とおっしゃって。3人の意見をお伝えしたので、ワルキューレの新曲も本当に楽しみです!」

インタビュー・構成=鈴木隆詩

★ 鈴木みのりさんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回「自分の感性を、もっと大事にしていきたい」
● 第2回「セリフ入りのキャラソンで練習してました」
● 第3回「どちらか一つではなく、声優であり歌手でありたいんです」
● 第4回「新しい私を感じてもらえるシングルになりました」

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