──『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役、『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』の月坂紗由役など、多くの話題作に出演してきた若手声優、鬼頭明里。今までさまざまな作品でキャラクターソングを歌ってきた彼女が、いよいよ10月にアーティストデビューを果たす。新たな一歩を踏み出す彼女が、今月のマンスリーアーティスト。まずは、子供時代のアニメの思い出から語ってもらった。

「実家はケーブルテレビが繋がっていて、お父さんがアニメ、ゲーム好きだったので、いつでもアニメ専門チャンネルを観られるという環境でした。ヒマな時はいつもアニメを観ていたので、私は生まれてきたときからオタクなんです(笑)。小学校高学年になると、毎週のようにレンタルビデオ屋に連れていってくれて、妹とお父さんと私でひとり3本までと決めて好きな作品のDVDを借りたり、とにかくアニメ漬けの子供時代でした」

──好きで観ていたのは、地上波でリアルタイムで放送されている作品ではなく、ケーブルテレビで放送される、少し前の時代のアニメだったという。

「子供の頃に『ドラゴンボールZ』とか『らんま1/2』とか『幽☆遊☆白書』とか、ケーブルテレビで観ていました。むしろ地上波でアニメをやっていることに気づいたのが遅くて、私たちが寝た後の深夜にもアニメをやってるんだって知ったときは、びっくりしました(笑)。そのうち、実家にハードディスクレコーダーが導入されたので、深夜アニメも観るようになって、今期はこれとこれとこれを観ようと決めて、せっせと録画していました。その頃好きだったのは、『ひぐらしの泣く頃に』とか『涼宮ハルヒの冒険』とか『けいおん!』です。どれも人気で、すごく盛り上がってましたよね」

──アニメソングも、もちろん好きで聴いたり、カラオケで歌ったりしていた。

「初めて親に買ってもらったCDは、『ドラゴンボール』シリーズの主題歌集だったと思います。『ドラゴンボールZ』のオープニングの「WE GOTTA POWER」が大好きでした。それから、エンディングの「でてこいとびきりZENKAIパワー!」も好きで、今でもカラオケで歌っています(笑)。『ポケットモンスター』とか『鋼の錬金術師』とか『BLEACH』とか作品ごとに主題歌をまとめたCDはどれも好きで、よく買ってもらっていました」

─少年ジャンプ系、バトル系の作品が好きだったのは、父の影響もあるという。

「影響というか、お父さんのお気に入りの作品は自分のために観たり、アイテムを買ったりするので、私も接する機会が多かったんだと思います。マンガもよく大人買いしていて、それを読んだりしていました」

──声優を意識するようになったのは、中学生になった頃。アニメではなくラジオがきっかけだった。

「声優さんのラジオ番組だったら何でも聴くくらい、ハマって。どの声優さんもトークが面白くて、こういう仕事って楽しそうだな、私もやってみたいなって思ったのが、声優という仕事を意識した最初でした。誰かのファンになるというよりも、自分もこんなことをやってみたいなと、最初から思ったんです。それに、自分が好きなアニメのキャラクターになれるのも楽しそうだなって思いました」

──だが、中学生の頃は、声優になるための行動に出ることはなかった。

「両親にも、声優さんになりたいなって言っていたので、一般公募とかに応募してみれば? と言われたりもしたんですけど、仕事になったら上京しなきゃいけないのが嫌で、自分にはなれないだろうなと思っていました。とにかく実家が大好きで、離れたくなかったんです」

──それに、他に打ち込んでいたことがあった。イラストだ。

「絵を描くのがすごく好きだったので、中学生の頃は、むしろ将来はイラストレーターや漫画家になりたいと思っていました。絵の仕事なら上京しなくていいですし(笑)。もし、自分の作品がアニメ化されたら、声優さんに合ったりすることもできるし、あわよくば自分自身も声優として参加したいなって。そうすれば、全部の夢がかなうじゃんって、都合のいい夢を思い描いてました(笑)。中学生の頃はずっとPIXIVに張りついてましたね」

──高校生になったとき、ある転機が訪れる。

「おばあちゃんが癌にかかって、一度は手術をして回復したんですが、再発してしまって、お母さんから、もう長くないかもって知らされたんです。それがすごくショックで。子供の頃の私は、両親やおばあちゃんに、大きくなったらビッグになって恩返しするからと言って、ずっとワガママを聞いてもらってきたんですね。イラストを描く道具をたくさん買ってもらったりとか。おばあちゃんが長くないかもしれないって聞いたとき、「じゃあ、私が恩返しできるのは、いつだ?」って思って。その頃は高校生になっていて、進路のことも考え始めていて、早く夢をかなえなきゃって思うようになったんです」

──そこで目指そうと思ったのは、イラストレーターではなく声優だった。

「それまでは、地道に絵を描いていって、いつかプロのイラストレーターになれたらいいなと思っていたんですけど、そんな時間はない! って。声優さんだったら、養成所に通って、事務所に所属できるようにがんばって、ダメならダメで数年で結果が出るじゃないですか。声優さんになるためだったら、自分でお金を貯めて上京してもいいと思って、急に真面目に目指すようになったんです」

──高校を卒業し、実家から東京の声優養成所に通い始めた彼女。その先に、どんな人生が待っていたのか? 第2回に続きます。

インタビュー・構成=鈴木隆詩

インタビュー第2回
「最初のMV撮影は、右も左も分かりませんでした(笑)」は
10月9日(水)掲載予定です。

★ 鬼頭明里さんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回「子供の頃はケーブルテレビでアニメばかり観ていました」
● 第2回「最初のMV撮影は、右も左も分かりませんでした(笑)」
● 第3回「アーティスト活動はロック寄りでいきたいと思いました」
● 第4回「みんなを喜ばせたいというのが、私の表現の原動力です」

\アプリのダウンロードはこちら!/