──第2回のインタビューで、カラオケではモノマネをしながら歌うのが好き、と語っていた鬼頭明里。どんな曲を好んで歌ってきたのだろうか?

「小学生の頃からカラオケが好きでよく行っていたのですが、お父さんの影響で生まれてからずっとオタクだったので、歌うのはアニソンばかりでした。アニソンって難しい曲が多いじゃないですか。それを練習して歌えるようになったときが快感なんですよね。作品によっていろいろなジャンルの曲が歌えるので、アニソンってやっぱり素晴らしいなと思っていました」

──アニソンだけでなく、普通のJ-POPを聴いたり歌ったりすることはなかったのだろうか?

「J-POPのアーティストさんも聴いていましたが、結局はアニメつながりですね。好きなアニメの主題歌を担当していた方のアルバムを買ってもらったりして、聴いていました。たとえば、UVERworldさんやSCANDALさん、YUIさん、ポルノグラフィティさんといったあたりです。それから、aikoさんはお母さんがファンだったので一緒に聴いてました」

──また、自分が歌った歌もよく聴いていたとのこと。

「カラオケに行って歌った曲を録音して、家で聴き返すんです。自分が歌った歌なのに、アーティストさんの曲と同じような感覚で聴いていました。たまに、あ、このボーカル、いいなと思ったりしながら(笑)。私は小さい頃から、普段しゃべっている自分の声はそんなに好きじゃなかったんですけど、歌声は大好きだったんです」

──アーティスト活動を始める下地は、子供の頃から固まっていたのかもしれない。

「声優になった頃から、アーティスト活動もできたら楽しいだろうなとは思っていました。でも、ずっとモノマネばかりやってきたので、自分の歌い方を持っていなかったんです。他の誰でもない、自分ならではの表現をするのがアーティストだと思っていたので、自分から仕事関係の方々に、アーティストを活動をやりたいんです、と言ったことは一度もありませんでした」

──しかし、声優としての実績を積むことでチャンスがやってきた。

「ありがたいお話をいただけて嬉しかったんですけど、同時に、アーティストとして私が歌う曲に、果たして需要があるのかな? と思いました。誰にも求められていないのに自己満足だけで歌えるほど、自分のメンタルは強くないぞって(笑)」

──物事を考えるときは、ネガティブな思考から入っていくのがクセなのだという。

「最初にとりあえずネガティブなことを考えてしまうタイプなんです。そうすれば、少しでもいいことがあれば、すぐにポジティブになれるじゃないですか。アーティストデビューのお話をいただいたときもそうで、最初は不安な気持ちが大きかったです」

──それをポジティブな気持ちに転換できたのは、ファンの喜びのリアクションがあったからだ。

「多くのファンの方から「デビュー、おめでとう。楽しみ!」というコメントをいただいて、自分はアーティストデビューしてもいいんだと思えるようになりました。じゃあ、やるからには、がんばろうと。本当にファンのみんなの声はありがたいです」

──活動を始めるにあたって、まずは、アーティストとして自分がやりたい音楽について、スタッフとともに話し合った。

「かわいい曲をキャラソンとして歌うのは大好きなんですけど、アイドルのようなかわいい振る舞いは、私には無理だなって思いました(笑)。それに、かわいくてポップな曲にはもれなくダンスがついてくるんですけど、踊りもそんなに得意ではなくて。周りの大人のみなさんも、そんな私を理解してくれて、クールでかっこいいロック寄りの方向性で行きましょうと提案してくださったので、ありがとうございます! 助かります!! という気持ちでした(笑)」

──かわいい曲は、今後もキャラソンや声優ユニットでは積極的に歌っていきたいけれど、アーティストとしての自分は別の方向を目指したい、というのが彼女の思いだった。

「いろいろな歌い方ができるというのが自分の強みだと思っているので、アーティスト活動では、今までお見せすることがなかった一面を表に出していきたいなと思いました」

──そうして、完成したのがデビューシングルの「Swinging Heart」。表題曲を含めて3曲が収録されており、違う印象が楽しめるの楽曲となった。

「ロックという共通点がありつつ、違う印象の3曲が揃ったデビューシングルになりました。テンションを上げたいときや落ち込んだとき、私は大好きな音楽を聴いて気分転換するんですけど、このシングルがみなさんにとってそういう1枚になったら、すごく嬉しいです」

──10月16日にリリースされたデビューシングル「Swinging Heart」。その内容については、インタビュー最終回でたっぷり語っていただきます!

インタビュー・構成=鈴木隆詩

インタビュー第4回
「みんなを喜ばせたいというのが、私の表現の原動力です」は
10月23日(水)掲載予定です。

★ 鬼頭明里さんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回「子供の頃はケーブルテレビでアニメばかり観ていました」
● 第2回「最初のMV撮影は、右も左も分かりませんでした(笑)」
● 第3回「アーティスト活動はロック寄りでいきたいと思いました」
● 第4回「みんなを喜ばせたいというのが、私の表現の原動力です」

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