──2015年9月リリースの2ndシングル「君との約束を数えよう」で、初めて自分がやりたい音楽を実現することができた田所あずさ。カップリング曲の「Straight Forward」では、作詞にも初挑戦した。

「もともとは作詞をするつもりはなかったんですけど、デモを聴いた瞬間に部活をやっていた頃の記憶が甦ってきて、これは自分で歌詞を書きたいと思えた曲だったんです。書けるかどうか分からないけど、挑戦してみたいとプロデューサーに伝えたら、OKをいただけました」

──「Straight Forward」の作曲者は堀江晶太。さらにレコーディングには、神田ジョン(ギター)、SHiN(ドラム)が参加している。神田ジョンは、今では田所あずさのライブには欠かせない人物だ。サポートバンド「あずさ2号」のバンマスであり、ライブではMCを担当することも多い。

「ジョンさんはもともと私のプロデューサーの友達で、しかも私の曲の「弾いてみた」動画をネットにアップしてくださっていたんですね。こんな人がいるんだよって、プロデューサーに紹介してもらったのが出会いだったと思います。初対面のときの印象は、赤髪だなあって(笑)。音楽に対して熱い情熱を持っていて、私に対してもサポートに徹するのではなく、積極的に一緒に取り組んでくださるという印象がありました」

──2016年7月には2ndアルバム『It's my CUE.』をリリース。『Beyond Myself!』とは打って変わって、ロック色を前面に押し出した1枚になった。彼女が目指した、「かっこいい」音楽がここには詰まっていた。

「かっこいいって言っていただけて嬉しいです。11月10日のライブのセトリを決めるために久々に聴き直したんですけど、今もファンのみんなに愛されている曲がたくさん入っていて、アルバム全体のまとまりもよく、我ながらいいアルバムだなって思いました(笑)。タイトルは海外ドラマを観ていて気に入った言葉で、「私の出番だ」という意味なんですが、その通りの1枚になったと思います。この先は、どんどん私がやりたいことを形にできるようになっていきました」

──自分のやりたいように作った曲を引っさげて、ライブでは神田ジョン率いる「あずさ2号」とともに爆音で観客を盛り上げる。

「メンバーが固定して、いいチームが出来上がりました。「あずさ2号」というバンド名は、GRANRODEOのe-ZUKA(飯塚昌明)さんが付けてくださいました。半分酔いながら、「あずさ2号でいいんじゃないの〜」って(笑)。すごく気に入ったので、バンドメンバーには有無を言わさず、私が通してしまいました」

──アニュータで、田所あずさ楽曲の中では最高再生数を誇る8thシングル「リトルソルジャー」(2019年1月リリース)は、本人とってどんな曲なのだろうか?

「TVアニメ『転生したらスライムだった件』のエンディング主題歌なので、作品のために生まれた曲ですが、きみコさんが私自身のことも意識して作詞してくださいました。〈きみが信じた私を私が信じてあげなくちゃ〉という出だしの一節は、特に心に刺さって。私はいつまで経っても自分に自信が持てないのですが、私を信じてくれるみんなのことは信じたいなと、すごく共感しました。作品の人気も相まって反響が大きかった曲ですし、この前のライブでも「リトルソルジャー」のイントロが流れた瞬間、お客さんがワーッと盛り上がってくれたのが嬉しかったです」

──続く9thシングル「イコール」は、新たな転機になった曲だという。

「ロックに振り切って、ゴリゴリな楽曲をずっと歌ってきた中で、激しいだけじゃない、感情の厚みのある曲も歌える人になりたいなという思いが芽生えてきたんです。作詞のきみコさん、作曲の髙橋諒さん、編曲の堀江晶太さんは、私からラブコールを送って参加していただいたんですけど、そんな私の思いを実現する楽曲を作ってくださいました。きみコさんと髙橋諒さんのタッグは、『アイドルマスター』シリーズでお世話になっていて、ソロ名義の曲もぜひ書いていただきたいと思っていました。」

──アーティストとしての新たな可能性を見出すことができた「イコール」。その流れは最新シングル「RIVALS」のカップリング曲「スペクトラム ブルー」に続いている。

「大木貢祐さんが書いてくださった歌詞に、私自身のことを逆に教えていただけたような気がしました。迷うことを肯定している歌詞なんです。私は今でもずっと自信が持てなくて、いろいろなことに迷い続け、気持ちが揺れ続けているんですけど、それに対してネガティブに考える必要はないんだなと。むしろ、そういう状態が自分には一番合っていて、自分はこうだと確信を持ったり、決めつけてしまう方が私らしくないんだと思うようになれたんです。大木さんのおかげで、これからも前に進めるような気持ちになりました」

──音楽に向かい合いながら、自分自身はどういう人間なのかと問い続けている田所あずさ。最終回は、ニューシングル「RIVALS」について、たっぷり語っていただきます。

インタビュー・構成=鈴木隆詩

インタビュー第4回は
12月25日(水)掲載予定です。

★ 田所あずささんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回 「初めての仕事は、オーディションでグランプリをいただいた直後でした」
● 第2回 「マイナス100からのスタートだと、マネージャーから言われました」
● 第3回 「激しいだけじゃなく、厚みのある歌も聴かせられるようになりたいんです」
● 第4回 「いいタイミングでショートヘアにできたと思っています」

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