──2016年10月12日に、1stシングル「泡とベルベーヌ」でソロデビューを果たした伊藤美来。今までに5枚のシングルと2枚のアルバムをリリースし、順調にアーティスト活動を展開している。そんな彼女の最新シングルが、2020年2月12日にリリースされる「Plunderer」。TVアニメ『プランダラ』のオープニングテーマとなっている楽曲だ。

「シリアスな部分とコミカルな部分のギャップが魅力の『プランダラ』に、すごく寄り添った曲になりました。疾走感があってキャッチーで、明るさやポジティブさもありつつ、自分との戦いや芯の強さも表現されていて、さらに儚さも感じさせてくれるという、たくさんの要素が詰まった楽曲です」

──タイトルの「Plunderer」は、直訳すると「略奪者」という意味だ。

「シンプルに言ってしまえば、アニメと同じタイトルの曲ということなんですけど、自分の運命は自分でつかみ取っていくという意味での「Plunderer」だと私は解釈しました。「略奪者」というとちょっと恐いイメージがありますけど、この曲にはネガティブな要素はなくて、ステキな夢を実現させようと前に進んでいく姿を感じていただけると思います」

──レコーディングでは、力強いボーカルを意識した。

「ディレクターさんやスタッフさんと綿密に打ち合わせして、一つ一つのフレーズの表現を突き詰めて、曲の緩急を大事に歌っていきました。歌詞はすごく作品に寄り添った内容で、いろいろなキャラクターの想いが表現されているんです。ボーカルの表情としては、主人公のリヒトーやヒロインの陽菜ちゃんの目線ではなく、みんなを見ているストーリーテラー的な目線で歌うように心がけました。神目線というと言い過ぎですけど(笑)、みんなの背中をぐっと押すようなイメージです」

──オープニングの映像には感激したという。

「歌詞や楽曲のタイミングに合わせて、映像を付けてくださったのが伝わってきて、嬉しかったです。一番好きなのは、〈誰かを求めるなら〉でリヒトーが涙を流して、〈ここに私いるから〉で陽菜ちゃんが映し出されるという二つのカットのつなぎで、二人の想いが伝わってきて、感動しました。話数が進むにつれて、物語はどんどんシリアスになっていくんですけど、オープニング映像にその伏線が張られているような気がしました。それから、サビの部分では夜空をバックにした陽菜ちゃんの姿が描かれていて、「Plunderer」のミュージックビデオ(MV)とリンクしているのも嬉しかったです」

──MVは、星をテーマに制作された。

「星が『プランダラ』の物語のキーになっているということで、私が星をかかえていたり、星の光の中に入ったり、宇宙をバックに歌ったりと、いろいろな星が出てくるMVになりました。今までの私のMVは野外ロケによるストーリー仕立ての作品がほとんどだったんですけど、今回はスタジオのセットで世界観を作って、ほぼリップシンクで歌うという作品で、私にとって新たな挑戦になりました」

──セリフもダンスもなく、歌っている姿をカメラが追っていくというシンプルな構成のMVだからこその難しさがあったという。

「ストーリーやセリフや振り付けがない分、表情や立ち振る舞いの勝負ということで、アーティスト性を求められた撮影でした。一つ一つの表情だけで絵になるよう、がんばりました。目元に星がついたメイクも初体験で、目ヂカラを出すことにも意識しました」

──カップリング曲の「hello new pink」は一転して、軽やかなグルーヴ感のあるオシャレな楽曲に。

「ゆいにしおさんという女性シンガーソングライターの方に作詞・作曲していただいた曲です。私と同年代の女の子で、テラコッタとか、男性にはピンと来ないかもしれないけれど、女性だったら、ああ、あの色ねってすぐに分かる言葉が入っていたり、言葉の選び方や言い回しが今どきな感じがして、すごく共感しました」

──柔らかなラブソングのように聞こえつつ、実は芯の強い女性像を歌った曲だという。

「タイトルとは裏腹に、男の子にピンクのワンピースを着てみてと言われて、ナンセンスって思う女の子の歌なんです。キミは好きかもしれないけど、私は別の色が好きなんだって。自分自身をしっかり持っている人を歌ったという意味では、「Plunderer」と共通していると思います。意志が強い女の子が主人公で、よりツンデレ感があるのが、「hello new pink」ですね(笑)。今回のシングルの2曲は、別のベクトルでどちらもかっこいい曲になったなって思います」

──アーティストとしての、2020年のスタートとなった6thシングル「Plunderer」。この1年はどういう年にしたいと、本人は考えているのだろう?

「アーティストとしてというより個人的なことなんですけど、やりたいことは絶対にやる1年にしたいと思います。去年までは急な休みができたとき、行ってみたい場所があるけど、疲れたから家で休もうみたいな感じで、外に出ることを諦めていたんですけど、「Plunderer」や「hello new pink」みたいに私も意志を強く持とうと思って。今年は、行きたいと思った場所に行って、食べたいと思ったものを食べようと思います」

──自分の感じたことを素直に、楽しそうに語る姿が印象的だった伊藤美来。第2回からは彼女のヒストリーを紐解いていきます。お楽しみに!

インタビュー・構成=鈴木隆詩

★ 伊藤美来さんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回 「一つ一つのフレーズを大切に、『プランダラ』の世界に寄り添って歌いました」
● 第2回 「声優という仕事を知ってすぐに、私もなろうと思いました」
● 第3回 「StylipSは、私の声優人生の中でとても大事な場所になりました」
● 第4回 「アーティストとしての一番の強みは、楽曲の良さだと思っています」